Young, Alive, in Movie

若者は映画に生きる

アングスト 激ヤバ殺人鬼、下から見るか?横から見るか? 【ネタバレなし感想】

アングスト 

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1983年オーストリア製作

監督/ジェラルド・カーグル
脚本/ジェラルド・カーグル

        ズビグニュー・リプチンスキー
製作/ジェラルド・カーグル

        ジョセフ・レイティンガー=ラスカ
出演者/アーウィンレダ
音楽/クラウス・シュルツ
撮影/ズビグニュー・リプチンスキー
編集/ズビグニュー・リプチンスキ

【あらすじ】

刑務所を出所した狂人が途端に見境のない行動に出る

 

【個人的評価】保留

 

【感想】

 


異常すぎて本国オーストリアでは1週間で上映打切り!その他世界各国で上映禁止!配給会社逃亡!

 

そんなワクワクしかない惹句により話題沸騰となった1983年公開のサイコロジカルスリラー映画『アングスト』

こりゃあ観る他ねえぜ!と思いわざわざ新宿まで嫌な気持ちになるために観に行ったら確かに凄かったので、思ったところを衝動的に殴り書きした文をここに置いときます。

 

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シネマート新宿にて、場内は血に飢えた老若男女がわんさかといて結構埋まってました

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映画と関係ないけどこの『アップルパイソーダ』、ソーダなのにマジでアップルパイの味がして凄かったです

 

 

 

・やはりなんといってもこの異常さと、そして不安さ

 

 

この映画は始まった瞬間すぐその異様さが察知出来ます

クレジットもオープニングもなく始まり、ステディカメラによって撮影され小刻みに揺れる背景と共に、ただ者で無い出で立ちの男が歩く様子が流れる・・・

ここだけでこの映画の雰囲気や、主人公の男の中にある狂気が分かるんですね

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もうこの時点でヤバいんです

 

その後もずっとこのような不安になるような映像がずっと続くのですが、そんな映像だけで終わりまで一気にのめり込んでしまうんですよ

 

特に印象に残るのがなんとなく入った店でソーセージを食べながら女子たちを「品定め」するシーンです

病的なモノローグも相まってただ食ってるだけなのにめちゃ気持ち悪い!ここの演出は本当に素晴らしかったですね〜(そんでなかなか美味そうなんだこれが)

 

この病的なモノローグというのもこの映画の特徴で、理不尽な暴力がを描く中セリフがほとんどない代わりに主人公が考えている思想などが延々と垂れ流されるんですね。

これがまた狂ってて気持ち悪い上にまた別の効果を生んでていいんですよ(くわしくは後述)

 

 

 

・雑!雑!雑!

 

この映画ではまず、主人公の凶行でその異常さを見せ、その後普通ではない生い立ちが説明されます

そして出所後に主人公はモノローグでこう言うわけです「俺には完璧な計画がある・・・」と

(そんな・・・完璧な計画だなんて、こりゃぁどうなっちまうんだ〜!)と思いながら観てると、タクシー乗ったあたりで見せる後先考えない行動の数々に(あれ・・・?こいつ・・・やり方がクソ雑だぞ!)ってなるんですね

 

この雑さは終わりまでずっとそうで、この主人公は全てが行き当たりばったりの衝動に任せて行動するんですよね。

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全編において衝動にまかせた力技で突き進むのです

 

そんな衝動は音楽でも表現されているように感じます。

 

 

 

…さて、ここまで良いところを並べてきましたが不満もあって・・・・

最初に生い立ちを解説した後モノローグでまた説明という作劇のちぐはぐさはまあ良いとして、なんというか予告とかは少し煽りすぎじゃないかなーと

とても精神的にキツい映画のように思えますが、僕はあまりそうは思わなかったんですよね

実際観終わったあとこんな半端なとこで終わりとか少し物足りないとすら思ったんです

 

でも、冷静に考えると、これで物足りないと感じてることそのものがある種異常な感覚で・・・(なぜ物足りないのかなぜ異常なのかという詳細はネタバレなので省きますが)

そう考えると自分が観てる最中すっかり主人公側に感情移入してしまっていた事が分かったんですね

 

 

 

・どの視点で観る?

 

 

要するにこれ、「第三者視点で眺める」か「主人公視点で没入する」かという話で、普通こういう理不尽な暴力が描かれる映画では基本的に前者の視点で見るようになってるのに、この映画だとバリバリ没入してしまったんですよね・・・

これは僕が殊更よくない精神状態であるからではなく(多分)

・まるで主人公の視点を表すかのようなステディカムなどの撮影

・主人公の思考を理解させるノローグ

リアルな時間経過を体験させる演出

主人公の衝動を表したような音楽

などので実際に我々に没入を促して来てるんですよ。

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死体の運搬もノーカット!

 

たとえばタクシーの運転手をいきなり襲おうとするシーンがあるのですが、全く脈略がなく一般人には理解しがたいところを「タクシーを奪い、車という空間を得られれば円滑に殺人が行える」とモノローグで説明されると納得(?)できるわけです。

 

ただ狂気を映すのではなく、一見意味不明なように見える行動も丁寧に説明をし、我々に狂気を理解させる方向に演出する・・・

それによって異常者に没入させた結果、殺人鬼の異常な快楽というものを擬似的に体験させてきます。

そのように同化を促す演出がなされた結果、だんだんと主人公が感じる焦燥、もはや義務感とも呼べるような殺人への衝動が観てる方にも感じられるようになってくるんです。

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この衝動が観てる自分にも移ってくる・・・

だから、観てるうちに「はやく、はやく殺れ!」という気分になるし、終盤の方は観ててずっと「まだ終わるなよ・・・・終わるなよ・・・」って思ってたし、終わった瞬間なんか「もう終わり!短すぎる!」とすら思ってしまったんですよ。

 

だからなんというか『へレディタリー』みたいに観てて精神的にキツくなる映画というよりは、観終わった後に自らを省みることで異常性が感じられる映画のように思えました。

そういう意味では確かに危険性が高いし上映禁止も納得です

 

とは言え、第三者視点から観るように出来る余地もクレーン撮影による超絶俯瞰映像などから残してあるようにも見えます。

なんというか、所々たまたま家にいた犬目線とも捉えられる映像になるんです。

前述した演出もドキュメンタリータッチだと言われればそう見えないこともないんですよね。まるで離れた視点から観察するかのようにも捉えられるんです。

 

つまり、この映画は「異常な男になりきる見方」と「眺める見方」の両方が出来るようになってると思うんですよ。

そのどちらかになるかは、普段の生活や映画の見方に左右されるのではないか・・・と思いました

おそらく前者の視点で見れば少し物足りなく感じるし、後者の視点で見たらものすごく厭ーな映像体験になるのではないかと思います。(どっちでも楽しいけどね)

 

どの視点で観るか?それがこの映画において一番趣向を凝らした部分なのではないかと思いました。

 

あ、最後に一つ

犬はかわいいし無事です!(犬以外は全く無事じゃないけど)

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というわけで、ちょっと宣伝は煽りすぎかなと思ったので過度な期待は禁物ですが、しっかりと精神状態が悪くなるステキな映画体験でしたよ!

それ故に、点数はちょっとつけづらいのでまた落ち着いた時に考えようかなと思います。

 

ラストサマー 感想【たぶんネタバレなし】

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監督/ジム・ギレスピー
脚本ケヴィン・ウィリアムソン
原作/ロイス・ダンカン
製作/ニール・H・モリッツ
        エリック・フェイグ
         ストークリー・チャフィン
製作総指揮/ウィリアム・S・ビーズリー
出演者/ジェニファー・ラブ・ヒューイット
            サラ・ミシェル・ゲラー
            ライアン・フィリップ
            フレディ・プリンゼ・Jr

 

【あらすじ】

高校生であるジュリー,ヘレン,バリー,レイの4人は7月の夜、男性を車ではねてしまう。事件の発覚を恐れた4人男性を海に沈め、この事を誰にも口外しないと約束する。3週間後、沖で死体が発見されたことが新聞で報じられ、ジュリーは罪の意識に苦しむ・・・

それから1年後、大学に進学したジュリーのもとに「去年の夏、何をしたか知っているぞ」と書かれた手紙が届く。それ以来、あの日の4人の周囲で かぎ爪の男が現れるようになり・・・

 

【個人的評価】 65点

 

 

青春ものとホラーとミステリーをかけ合わせたような映画

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「轢き逃げをした若者たちが1年後、何者かに襲われるようになる・・・」というストーリー

まあなんと言ってもホラーとしてちゃんと面白いというのが良いですね

シチュエーションを巧みに利用しスリルを煽る・・・まさに王道と言えるでしょう

かぎ爪の男の不気味な姿などビジュアル的にも良し!

僕は特に漁船の一連のシーンが印象に残りましたね〜シチュエーションを巧みに利用していたと思います

殺人鬼が若者を殺すスラッシャーを期待するならまず外さないのではないでしょうか

若者のクズ度も高し!

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しかしそんなスラッシャーとミステリーと青春ドラマを混ぜてしまった結果、なんか色々と中途半端になってしまったような気がしましてね・・・

犯した罪の意識とか中々うまくいかない人生とか、そういった青春ドラマ的な要素要素はいいんですけど、それらがなーんか上手いことまとまらないんですよね・・・

やはりスラッシャーホラーである以上我々は早い段階からの「殺し」を期待するわけで、それすなわち「キャラの退場」を期待するということでもあります。そのため、他のスラッシャーだと登場人物はいつでも使い捨てられるようにだいたい“バカ学生A”といった感じでスッカスカなパターンが多いわけです。

しかしラストサマーではそんな使い捨てられるようなキャラクターに対してドラマを膨らませてます。たしかにそういった青春のドラマが楽しかった部分もありますが、使い捨ては使い捨て、ドラマがうまく収束しないまま退場してしまいなんとも言えない中途半端さが残ってしまうのです。

 

 

 

ミステリー要素とホラー要素の食い合わせも悪かったなあ

謎の殺人鬼の正体とは?目的とは?みたいなミステリーを軸に展開していくのがこの映画の特色ではあるのですが、ホラー的な見せ場のための演出によりその正体や目的とやってる事に矛盾が見えてくるのです。

例えば、その目的なら別にこいつ殺さなくても別に良いんじゃ?というような人でも見せ場のために殺してしまう・・・といった展開が多く見えるのです。

たしかにそういう見せ場が少ないと退屈してしまうのもまた事実なのですが・・・それにしてもなあ

それを言っちゃおしめえよという話ですが、「そもそも驚かせたり怖がらせたりする必要、ある?」という疑問が出てきちゃうんですよね・・・

 

 

あと、やっぱスラッシャーにはマスクがないとね!

 

 

まあ、この映画を観て「安全運転は大事」というのはよくわかりましたよ、うん

 

 

【総評】

王道ホラーとして結構楽しめたけど、色々な要素要素の食い合わせが悪くてなんとも惜しいなあと思ったのでした。

なんかB級ホラー観たいなーという気分の時にあまり期待せず観る分にはとても楽しめるでしょう

 

デッド・ドント・ダイ 感想【途中までネタバレ無し】

デッド・ドント・ダイ

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監督/ジム・ジャームッシュ
脚本/ジム・ジャームッシュ
製作/カーター・ローガン
        ジョシュア・アストラカン
製作総指揮/フレデリック・W・グリーン
                   ノリオ・ハタノ
出演者/ビル・マーレイ
            アダム・ドライバー
            ティルダ・スウィントン
            クロエ・セヴィニー
音楽/スクワール
撮影/フレデリック・エルムズ
編集/アフォンソ・ゴンサウヴェス

 

 

【あらすじ】

警察官が3人しかいないアメリカの田舎町センターヴィルで、前代未聞の怪事件が発生した。無残に内臓を食いちぎられた女性ふたりの変死体がダイナーで発見されたのだ。困惑しながら出動した警察署長クリフ(ビル・マーレイ)と巡査ロニー(アダム・ドライバー)は、レイシストの農夫、森で野宿する世捨て人、雑貨店のホラーオタク青年、葬儀場のミステリアスな女主人らの奇妙な住民が暮らす町をパトロールするうちに、墓地で何かが地中から這い出したような穴ぼこを発見。折しも、センターヴィルでは夜になっても太陽がなかなか沈まず、スマホや時計が壊れ、動物たちが失踪する異常現象が続発していた。

やがてロニーの不吉な予感が的中し、無数の死者たちがむくむくと蘇って、唖然とする地元民に噛みつき始める。銃やナタを手にしたクリフとロニーは「頭を殺れ!」を合言葉に、いくら倒してもわき出てくるゾンビとの激闘に身を投じるが、彼らの行く手にはさらなる衝撃の光景が待ち受けていた……。

映画『デッド・ドント・ダイ』公式サイト|6月5日(金)公開公式サイトより引用)

 

【個人的評価】 95点

 

 

【感想】

 

ジム・ジャームッシュ監督によるゾンビコメディである今作

何もない田舎町にゾンビが襲いかかってくる!という王道とも言えるあらすじ

ジャームッシュ監督と言えばなんと言っても“何も起こらない”オフビートな作風”です。

 


たとえば『パターソン』は「詩作が趣味のバスドライバーが1週間をすごす」ことをただただ描き、殺人や不倫といった話を展開させるための事件が“何もおこらない”まま徹底して日常を描いている映画でした。

 

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バス運転の仕事→ランチ→詩作→帰宅→バーで飲む…といったルーティンを淡々と描く映画『パターソン』

 


程度の差こそあれ基本的にこの作風は他の監督作でも強いのですが、すごいのは何も起こらなくてもめちゃくちゃ面白いってことです!

この面白さというのは言葉で説明するのが難しいので実際観てみることをオススメします。(パターソンは20年6月現在アマプラで観れるよ)

 


かなりユルくて少し笑えてそれでいてめちゃくちゃ計算されてる・・・というのが魅力だと思う

 


さて、そんなジャームッシュ監督がゾンビ映画を撮ると知ったら「一体どんな映画になるんだ!?」と僕は当然思うわけです

だってゾンビですよ!?墓から這い出る歩く死者なんてまさに存在自体が“有事”!何も起こらないとは真逆!

しかも主演のアダム・ドライバーはじめ豪華キャスト集結となれば、これはもう見る他ない!となっていたのですが・・・

洋画あるあるな輸入の遅さにより10ヶ月ほどお預けをくらい、さらにこのコロナ禍の影響を受けさらに1ヶ月半延期され、結局1年以上待たされてしまいましたね・・・(正直そんな待たされるような内容じゃないとおもう)

 

 

 

さて、本題の内容についてですが・・・・これがまた困った映画でしてね・・・

 


この映画はゾンビものであると同時に、多くの登場人物が出てくる群像劇のスタイルをとっている映画でもあるのですが・・・群像劇の醍醐味であるキャラが巧みに絡むアンサンブルがほとんどない!というね

ホラーの面白さと言えば僕は細かい伏線回収だと思うのですがそれすら少ない!

つまり映画に出てくる様々な要素が特に絡み合わず終わるわけです。

 


ある種禁じ手的なラストを含めなんなんだこれ・・・・となること必至な内容なのです

しかし観終わった後、パンフレットや様々な感想などを見て僕はこう思ったのです「これは自分の事しか考えない人を皮肉った話なのだ」と

 


つまりこの映画、人間たちが全然助け合わないんですよね

マジで全然助け合わないのでキャラが絡まないしフラグもバッキバキに折れていくわけです

考えてみれば他のホラー映画では「取り残された大切な人を助ける」といったような動機でわざわざ危険な地へ行ったり、キャラ同士絡んだりすることが多いのですが、そういったものを(多分わざと)放棄してるんです。

 


しかし、ベテランであるジャームッシュ監督がただ下手でそういう話になるということはないでしょう。

僕は監督があえてキャラが誰も助け合わなかったら・・・?という風刺を入れたのだと思います。

これは単なる推測ではなく、実際そういった分断や個人主義といったものを象徴的に描いていたり、始めからぶん投げるつもりの恋愛フラグをわかりやすく描いていることからも分かります。

 


これから観てみたいと思ってる人はここに注目しながら観てみるのも良いでしょう。

 


・・・なんて難しいことグダグダ言いましたが、別にそんなことどうでもいいくらい、くだらなくて、ユルくて、まあまあ笑える(まあまあってところが重要)映画でしたよ!

 


何が面白いってね、まずアダム・ドライバーがもう本当に何しても面白い!あのガタイで愛車スマートに乗ってるだけで面白いし、ナタ振り回してるだけで画になる。

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ティルダ・スウィントン様の刀振り回しもまーカッコいいわヘンテコだわで面白い

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ラストのめちゃくちゃな展開も賛否あるんだろうけど、僕はああいうやば目展開大好きなので笑いましたね。(微妙に伏線と言えないような伏線貼ってるのがミソ)

 


何より楽しかったのはゾンビが蔓延る町をゆったりとパトロールする画ですね

ゾンビが出てるというのにあの遅さ!ここはまさにジャームッシュ作品といった感じでよかったですね。

巨匠ロメロ監督オマージュの歩くゾンビがまた牧歌的な雰囲気を出してて心地よさすら感じました。こういう点ではオンリーワンな映画なのではないでしょうか

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パトカーのライトの照明も心地いい

 

あと、ホラー映画としても日常から非日常への移行をディテールを積み重ねながら丁寧に描いていたのも好印象

 

ただ、他のジャームッシュ作品よりはセリフがペラい気もしましたね

 

 

【ここからネタバレあり語り】

 

 

 

 

ホラーと言えば死亡フラグをはじめとしたフラグを見ても楽しいジャンルです。しかしこの映画では様々なフラグがぶん投げられます。

 

・ホラーグッズショップの兄ちゃんと旅行にきた姉ちゃんとの恋愛フラグ

・パトロールした警察が住民を助けるフラグ

ゼルダがみんなを助けるフラグ

などなど
これらのフラグは自らの保身だけ考えるという思考回路によって捨てられるフラグです。

特に2番目の警察のフラグは人物のなかで一番常識人っぽい人によって捨てられるのが切ないですね

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この真ん中のミンディー巡査が常識人ぽいゆえにフラグをぶち折るのです

 


これらの描写が行き過ぎた個人主義を表しているとするならば、ほかにも分断を表すような描写が強調されてることに気づきます(白人至上主義なスティーブ・ブシェミや厳しい男女の区切りによって離される子どもたちなど)

 

 


このように、自分の事しか考えない物欲ばかりの人間こそゾンビだ!と風刺ってるんじゃないでしょうか(そうかんがえるとなんか説教くさいな〜)

余談ですが、同じくジャームッシュ監督作の『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライブ』では主人公の吸血鬼がそんな欲にまみれた愚かな人間どものことを「ゾンビ」と呼んで見下してるシーンが多々あり、この頃から一貫したテーマ性があることが分かります

ロメロ監督の『ゾンビ』からしてそんなテーマの話ですし、オマージュの面もあるのかもしれません。

 

 

アダムドライバー演じるロニーは作中でたびたびこう言います「まずい結末になる」と

そんな悲劇的な終わりがくると思いながら世界を観る厭世的なロニーの考え方は現代人のそれと被ります

終盤、唐突に出てくるUFO、かなり禁じ手という感じで僕は爆笑したのですが、あれもある種の絶望感を僕らに与えますね

とんでもない理不尽が目の前に起こるも、それに対して我々は何もできないし何も救われない、ただただ見るしかない・・・

そういう点ではUFOもゾンビもある意味で同じであると言えます

そしてこの世に起こる様々な事象にも同じ事が言えるのではないでしょうか

 

 

しかしラスト、結末がわかっているにも関わらず抵抗し「やるだけのことはやってみる」わけです

たとえ悲劇的な終わりだとしてもやるだけやってみるということが大切なのかもしれない・・・というメッセージがあるのかもしれないなーと思いましたね〜

まあそれでそのまま何の捻りもなく悲劇的な結末になるのがある意味とてもジャームッシュらしさがあるなと思いましたw

 

生き残るのが未来ある子供たちと浮世離れした浮浪者なのに何かメッセージを感じましたね。

こういう人たちにこそ希望がある、ということなのでしょうか。

 

【統括】

ユルくて笑えてそれでいて結構キツめの風刺もある、そんな楽しいゾンビ映画でしたよ

なんだかんだ言って、こういうゾンビ映画が観たかった!と思えましたねえ

スケアリーストーリーズ 感想 【ネタバレあんま無し】

スケアリーストーリーズ

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監督/アンドレ・ウーヴレダ
脚本/ダン・ヘイグマン
  ケヴィン・ヘイグマン
  ギレルモ・デル・トロ
原案/マーカス・ダンスタン
  パトリック・メルトン
原作/アルヴィン・シュワルツ『誰かが墓地からやってくる』(ポプラ社
製作/ギレルモ・デル・トロ
  ジェイソン・F・ブラウン
  J・マイルズ・デイル
  ショーン・ダニエル
  エリザベス・グレイヴ
製作総指揮/ロベルト・グランデ
     ジョシュア・ロング
出演者/ゾーイ・マーガレット・コレッティ
   マイケル・ガーザ
   ガブリエル・ラッシュ
   オースティン・ザジュール

 

【あらすじ】

ハロウィンの夜、町外れの幽霊屋敷に忍び込んだステラたちは地下室で一冊の本を見つける。ページを開くとそこには噂に聞いた怖い話の数々が綴られていた。作家志望のステラはこっそり本を持ち帰るが、翌日から仲間がひとり、またひとりと消えていく。のどかな町で起きた不可解な失踪事件。彼らの身を案じていたステラたちは、本の余白ページにひとりでに文字が浮き出て、新たな物語が書かれていくのを見てしまう。しかも主人公は消えた仲間たちで、それぞれが“いちばん怖い”ものに襲われる物語がそこにあった。

 

 

【個人的評価】 50点

 

怨霊が書いた“ストーリー”に襲われるという少し変わったあらすじのアンドレ・ウーヴレダル監督によるホラー映画です

 

まず良かったところを言うと登場するモンスターの造形が素晴らしかったですね

特にこの“青白い顔の女”!

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こわすぎ

これが出てくるシーンは恐怖描写も巧いしおぞましすぎてなんか爆笑しちゃいました(感情がおかしい)

他にも魅力的なモンスター揃いでそれらを眺めるだけで結構楽しめます

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ステキすぎ!

流石、『シェイプ・オブ・ウォーター』などの監督作で人外への愛を爆発させてるギレルモ・デル・トロが製作に関わってるだけあるなぁと思いましたね

 


全体を流れるジュブナイルも良かったです

一夏の素敵な思い出・・・とはいかないような凄まじい経験をするハメになるんですけどね

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なお容赦なく子供が普通に死んだりするのでそこは注意

 


ただそれ以上に少し残念だったところも多かったですね・・・

 


まず、恐怖演出がビックリ系が多く、あまり面白く感じなかったのが・・・

観てて(あーここでデカイ音出してビックリさせに来るんだろうな〜)っていうのがバレバレで少し冷めましたね

何というか全体的にリメイク版『IT』っぽさを感じる演出だったけど、それに比べてあまり上手く感じなかった印象

まああくまで子どものために作られた映画らしいのでしょうがないのでしょうけど・・・(原作は児童書とのこと)

でも前述した青白い女が出てくるシーンはとても巧くて良かったですよ

 


1968年を舞台にした意味をあまり感じなかったのもなぁ・・・

60年代特有のファッションとか街並みを楽しむって感じかと思いきやその要素もなーんか弱いし、50年前ゆえの制限みたいなことがしたいのかと思いきやトランシーバーとかいう便利通信アイテム出すし・・・

一応露骨にベトナム戦争の話題を出したりはしてたんですけど本当に取ってつけたような感じで、これなら現代を舞台にして僕のような若者にももっと共感できるようなテーマを盛り込んでくれた方が好きになれたと思う

これが例えばITだと“追憶”というテーマがあるから昔である意味を強く感じることができるんですけどね〜

まあこれは個人差で人によってはたまらないノスタルジックな雰囲気を感じることが出来るのかもしれませんが

 


人間ドラマもルーシーとオギーの関係など後々活きてきそうな描写があまり回収されない中途半端さみたいなのが全編にあって煮えきらないし・・・

 


あと、最もガッカリしたのが“物語”の扱い方!

僕は、“物語”ってその文字の通り物語るってことが重要だと思うんですよ、だから「物語が実体化し襲ってくる」というあらすじを見た時、「なるほど、親や友達からから聞かされ受け継がれた怪談話が怪物となり力を持ち始める話なんだな」と思い、さらに「そしてその怪物を打ち倒す活路を“受け継がれた怪談話”から見つけるという、創作物万歳ホラー万歳な熱い展開があるに違いない!」と予想したのですが・・・

まさかその“実体化し襲ってくる物語”というのが亡霊による即興だとは・・・

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不思議な力を持つ亡霊が即興で書いたストーリーが現実となり襲いかかる設定

いやこれ物語というよりデスノートじゃねえか!という感じでかなりガッカリしてしまいました、まあ怪談を基にした怪物もいるんですけど・・・その設定はあくまで味付け程度でそこまでストーリーに活かされないんすよね

前半は物語の記述と実体化する恐怖が交互に描写されてたのに、後半に行くにつれ物語の方の扱いがおざなりになるのもなーんかなー

なんというか僕はシャマランのレディーインザウォーターみたいなものを期待してしまったんですよね・・・これは変な期待をしてしまった僕が悪いのかもしれません

ただラストの「物語の力を信じる」というメッセージを感じるとある展開はかなり良かったと思います

 

 

【総評】

魅力的な造形のモンスターたちは良かったのですが「物語」というものの扱い方があまり好きになれずちょっと全体的には残念だったかなーという感じのホラーでした

 

 

【映画感想】凪待ち (ネタバレ無し)

凪待ち

 

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監督:白石和彌
脚本:加藤正人

製作総指揮:木下直哉
プロデューサー:椎井友紀子、赤城聡

出演:香取慎吾 恒松祐里 西田尚美 吉澤健 音尾琢真 リリー・フランキー

 

【個人的評価】90点

 

 

いや〜よかった!すっごく良かった!

脚本 映像 演技全てが高レベルの傑作だった!

これは色んな人に観てもらいたい映画ですよ!

 

 

【あらすじ】

基本的なあらすじとしては「人生につまずいた木野本郁夫(香取慎吾)は、ギャンブルから足を洗い恋人・亜弓(西田尚美)と彼女の娘・美波(常末祐里)と共に、末期ガンに冒されながらも漁師を続ける亜弓の父・勝美(吉澤健)のいる石巻に移り住むが・・・」といった感じ

 

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人生を無為にすごしていたギャンブル依存症の男、郁男が

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恋人とその娘と共に震災の爪痕残る石巻に移住する・・・というストーリー

 

これだけ見るとなんというか田舎に帰る癒し映画に見えなくも無いですがこの後、話はどんどん悪い方向に転がっていくのです・・・(ネタバレになるのであまり言いませんが)

 

【感想】


まず何と言っても脚本が異常に素晴らしい

多い登場人物を持て余す事なくさまざまな人生が波のように影響を与え合ってるのが良いし、その上どこに着地するか分からず常に先が気になる展開や全体を流れる厭な雰囲気そしてところどころガツーンとくる衝撃に最後まで心が揺さぶられっぱなしでした・・・

ちょっとしたセリフの回収なんかも巧くてね・・・いまいち家族として認められないところのあった主人公が家族として認められるという事を本当にさり気ないセリフで分かるようになってて・・・(涙)

この映画は主人公の喪失と再生を描いてるのですが、それを舞台である石巻の状況と重ね合わせてるのかなぁとも思いました

 

 

 

画づくりも素晴らしく、先ほど述べた作品全体に流れるこの先どうなるのかわからない厭な雰囲気っていうのが脚本だけじゃなく画からもすごく感じられるようになってて、ギャンブル依存症である主人公がついギャンブルへと心が傾いてしまうときにカメラもググーっと傾いてしまう感じとか荒々しさを感じる長回しとか巧いなあと

台詞じゃなくて画で語るような映画だったのも好印象ですね

 

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心の傾きをカメラの動きで表現、こういう照明が暗めな画が多く本編はかなり重い

 

 

 

そして香取慎吾さんをはじめとする役者陣の素晴らしさ・・・

香取慎吾さん演じる主人公はまあクズもクズのギャンブル依存症で本当に大切なお金を全部ギャンブルで溶かしちゃうような男なのです・・・

ストーリーだけ見るとなんでみんなこんなクズを見捨てないの?とか思っちゃう危うさがあるんだけど、香取慎吾さんが持つ人間的魅力とかそういう部分がその危うさをうまいことカバーして違和感を無くしてて、「大丈夫だよやればできるって!お前が本当はいい奴なの知ってっから!」っていう気持ちに自然となっちゃうんだよね

香取慎吾さん以外がこの役やってもここまで感情移入出来たか分からないってくらい適役でしたね、正直言って今まで変な役ばっか演じてるイメージだったのですがw(例:◯ち亀、◯ットリくんなど)今作で180度認識がひっくり返りました「こんな役も出来るんだ!」と

この映画の登場人物は善悪二元論では語れない人たちが多くて、そんな二面性のある人物をみんな上手く演じててとても素晴らしかったです

 

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もちろん香取慎吾さん以外も良い役者揃いだったよ

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リリーフランキーさんも安定の良さ、いつもはなんかうさんくさい役が多いけど今回はかなり感動させてくれるシーンがある

 

 

「凪」とは風が止んで波がなくなっている状態を意味する言葉です

この『凪待ち』では作中、2011年の震災の影響を思わせる描写が多く出てきます

悲惨な津波による影響、つまり波はまだ止んでない

この『凪待ち』はそんな波が止む事を待つ人々の物語だと僕は思います

 

 

【総評】
例えどん底に落ちてもやり直すこと立ち直ることは出来るというメッセージ、震災への復興というものを安易に絆や希望などに落とし込まず、とても暗くとても重くしかしそれでいて確実にそう感じられるように描いている、そんな映画でした

映画テン年代ベストテン

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映画テン年代ベストテンを作成してみました

 

作成するにあたって思ったのが意外と観てないなーということ

映画に深くハマり始めたのが最近っていうのと、古典や往年の名作を選んで観てたっていうのもある

それでも10本選びました、どれも最高に好きな映画です!

(公開年は日本公開時による)

 

風立ちぬ(2013年 宮崎駿監督)

マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年 ジョージ・ミラー監督)

③パターソン (2017年 ジム・ジャームッシュ監督)

④15時17分パリ行き(2018年 クリント・イーストウッド監督)

⑤ミスターガラス (2019年 M・ナイト・シャマラン監督)

⑥ハロウィン(2019年 デヴィッド・ゴードン・グリーン監督)

カメラを止めるな!(2019年 上田慎一郎監督)

この世界の片隅に(2016年 片渕須直監督)

第9地区 (2010年 ニール・ブロムカンプ監督

ドラえもん のび太のひみつ道具博物館 (2013年 寺本幸代監督)

 

 

ドラえもん のび太のひみつ道具博物館f:id:YoungAliveinMovie:20191215224343j:image

映画好きもそうじゃない人も1番「えぇ?」となりそうなチョイスですが、個人的に映画ドラえもんシリーズはエンタメとして求めてるものが全部入ってるんですよね〜

アクションあり笑いあり伏線ありそして何よりかわいい!

特にこの『ひみつ道具博物館』は「創作への情熱」という僕にグッサリ刺さるテーマが入っており、そんなの好きじゃないわけがない!という映画になってるんです!

 

第9地区

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激アツロボ映画でもありながら社会派でもあるニール・ブロムカンプ監督のSF映画

モキュメンタリー映画から劇映画への移行がスムーズでその技巧に唸りました

溜めて溜めてここぞ!というタイミングでアガる構成も👌

 

この世界の片隅に

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僕の汚い文章で飾りたくないくらい名作

漫画の空気感やリズムを完全に再現

静かながら強いメッセージに心打たれる

アニメならではの色彩演出もだいすき

 

カメラを止めるな!

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「このゾンビ映画が面白い!」との話題を聞き、わざわざ新宿まで観に行ってその展開や面白さに驚き!その後近場の映画館で公開され、2回目を観に行き今度は脚本の技巧にうっとり!

そしてなにより僕の大好きなテーマ「創作への情熱」が入ってる!(2回目)

 

⑥ハロウィン(2019)

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完璧な続編

ホラー映画オールドタイプとニュータイプの融合

それでいて復讐の描き方として10000点のラストは完璧すぎる

 

⑤ミスターガラス

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10年代はMCUをはじめとするヒーロー映画が興隆を極めた時代でもあった......

そんな10年代のラストにシャマランが持ってきたヒーロー映画

3人の異能力者が精神病院に集うというロケーションの時点で勝ち!

3つの映画を繋げる試みの凄さも含めてお気に入り!(『アンブレイカブル』と同じ役者を使ってるのがえらい)

 

15時17分、パリ行き

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あんま評判よくないけど大好き

こういう日常を肯定してくれるような映画が僕は好きなんだな

実際の当事者を主演に抜擢するという発想とそれを実行しちゃうというのがさすがイーストウッド

ラストの虚実入り混じる演出にもはや映画を超えた何かを感じた

 

③パターソン

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何も起こらない、なのに面白い

カイロレン役でおなじみアダムドライバーが詩が趣味の素敵なバス運転手を演じる

なんて事のない日常の素晴らしさ、これを観た後は散歩がすごく楽しくなる

例によって創作することの尊さがテーマの一つになっておりそれもお気に入り度を上げている

 

②マッドマックス怒りのデスロード

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もはや説明不要

永遠に忘れられないアクション映画

映画館で観た時の感覚を思い出せる数少ない映画だ

 

風立ちぬ

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テン年代というかオールタイムのベスト1

美しさを追い求める事の功罪 ジレンマを描く

創作への情熱がテーマである(重要)

好きなところありすぎて永遠に語れる映画

むしろ語るところありすぎて何語ればいいのかわからない映画

 

 

 

こうして見ると最近の映画が多めでいや〜映画って面白いなぁ〜って思いますね!

 

【ネタバレなし映画感想】『クロール/凶暴領域』 丁寧に作られたワニワニパニックホラームービー!

『クロール/凶暴領域』f:id:YoungAliveinMovie:20191028003418j:image

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【あらすじ】

思い出の我が家はヤツら(ワニ)のテリトリー

ハリケーンに襲われた家族の元にワニまで襲ってきちゃうという盆と正月が一緒に来たみたいな話です

【概要】

ピラニア 3D』等で(特定の層に)おなじみのアレクサンドル・アジャ監督のワニ映画!

 

 

【個人的評価】80点

 

【感想】
まずなんといってもシチュエーションが最高オブ最高!

 

台風だけでも大変(実体験)なのにワニ

ワニだけでも大変(想像)なのに台風

 

しかもこの台風とワニがめちゃくちゃ相性が良い!それはまるでアンパンと牛乳の関係性に匹敵する相性の良さ!

 

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ゴツいワニは、シンプルに怖い

 

こんなんどうすりゃいいんだ~って状況に畳み掛けるように襲ってくる危機....

 

そんな状況でも諦めず生きる希望を捨てず知恵と工夫と勇気で立ち向かう主人公にはめちゃくちゃ燃えたよ

 

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ワニの何が辛いって水陸両用生物なところ

 


こういう全編1つのシチュエーションで構成されるタイプのホラー映画で重要なのが「その状況をうまく活かせてるか」ってところなんだけどこの映画に関してはもう100点!

 

限られた狭い空間で懐中電灯やスコップ排水管などを活かしワニと戦う、逆に状況のせいで更なる恐怖が襲いかかる.....

 

その場所で使えるものや地形などをしっかりと活かせていたおかげで全編飽きずに観れた!

 

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知能戦もまたホラーの醍醐味なのだ

 

 

あと人間ドラマもよかった!

 

序盤のちょっとした会話やアイテムで人間関係がしっかり理解できるようになってて👍

 

「思い出の我が家」が台風とワニに襲撃されてしまうストーリーなんだけど、その「思い出の我が家」を最低限の演出で演出していて巧みだったし、そんな我が家が壊されてく恐怖みたいなのをしっかりと感じたよ

 

家族のドラマはベタっちゃベタだけどちゃんとしてた。ホラーとは言えここがしっかりしてるどうかで感情移入の度合いが変わるし、映画に入り込めるかどうか決まるんだよね

 

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観てて「ここで死んだらアカーン!😭」と思えるか否かって重要だよね

 

 

ちょっと不満を挙げさせてもらうと少し丁寧すぎたところがあったかな

もっと悪趣味だったりぶっ飛んだ演出にしても良かったんじゃないか....と思った

でも、その丁寧さが観やすさを生み出してはいるんだけどねー

 

【総評】

全編かなり丁寧(むしろ丁寧すぎたかも)でまとまった良作モンスターパニックホラーでした!おススメ!