Young, Alive, in Movie

若者は映画に生きる

スケアリーストーリーズ 感想 【ネタバレあんま無し】

スケアリーストーリーズ

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監督/アンドレ・ウーヴレダ
脚本/ダン・ヘイグマン
  ケヴィン・ヘイグマン
  ギレルモ・デル・トロ
原案/マーカス・ダンスタン
  パトリック・メルトン
原作/アルヴィン・シュワルツ『誰かが墓地からやってくる』(ポプラ社
製作/ギレルモ・デル・トロ
  ジェイソン・F・ブラウン
  J・マイルズ・デイル
  ショーン・ダニエル
  エリザベス・グレイヴ
製作総指揮/ロベルト・グランデ
     ジョシュア・ロング
出演者/ゾーイ・マーガレット・コレッティ
   マイケル・ガーザ
   ガブリエル・ラッシュ
   オースティン・ザジュール

 

【あらすじ】

ハロウィンの夜、町外れの幽霊屋敷に忍び込んだステラたちは地下室で一冊の本を見つける。ページを開くとそこには噂に聞いた怖い話の数々が綴られていた。作家志望のステラはこっそり本を持ち帰るが、翌日から仲間がひとり、またひとりと消えていく。のどかな町で起きた不可解な失踪事件。彼らの身を案じていたステラたちは、本の余白ページにひとりでに文字が浮き出て、新たな物語が書かれていくのを見てしまう。しかも主人公は消えた仲間たちで、それぞれが“いちばん怖い”ものに襲われる物語がそこにあった。

 

 

【個人的評価】 50点

 

怨霊が書いた“ストーリー”に襲われるという少し変わったあらすじのアンドレ・ウーヴレダル監督によるホラー映画です

 

まず良かったところを言うと登場するモンスターの造形が素晴らしかったですね

特にこの“青白い顔の女”!

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こわすぎ

これが出てくるシーンは恐怖描写も巧いしおぞましすぎてなんか爆笑しちゃいました(感情がおかしい)

他にも魅力的なモンスター揃いでそれらを眺めるだけで結構楽しめます

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ステキすぎ!

流石、『シェイプ・オブ・ウォーター』などの監督作で人外への愛を爆発させてるギレルモ・デル・トロが製作に関わってるだけあるなぁと思いましたね

 


全体を流れるジュブナイルも良かったです

一夏の素敵な思い出・・・とはいかないような凄まじい経験をするハメになるんですけどね

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なお容赦なく子供が普通に死んだりするのでそこは注意

 


ただそれ以上に少し残念だったところも多かったですね・・・

 


まず、恐怖演出がビックリ系が多く、あまり面白く感じなかったのが・・・

観てて(あーここでデカイ音出してビックリさせに来るんだろうな〜)っていうのがバレバレで少し冷めましたね

何というか全体的にリメイク版『IT』っぽさを感じる演出だったけど、それに比べてあまり上手く感じなかった印象

まああくまで子どものために作られた映画らしいのでしょうがないのでしょうけど・・・(原作は児童書とのこと)

でも前述した青白い女が出てくるシーンはとても巧くて良かったですよ

 


1968年を舞台にした意味をあまり感じなかったのもなぁ・・・

60年代特有のファッションとか街並みを楽しむって感じかと思いきやその要素もなーんか弱いし、50年前ゆえの制限みたいなことがしたいのかと思いきやトランシーバーとかいう便利通信アイテム出すし・・・

一応露骨にベトナム戦争の話題を出したりはしてたんですけど本当に取ってつけたような感じで、これなら現代を舞台にして僕のような若者にももっと共感できるようなテーマを盛り込んでくれた方が好きになれたと思う

これが例えばITだと“追憶”というテーマがあるから昔である意味を強く感じることができるんですけどね〜

まあこれは個人差で人によってはたまらないノスタルジックな雰囲気を感じることが出来るのかもしれませんが

 


人間ドラマもルーシーとオギーの関係など後々活きてきそうな描写があまり回収されない中途半端さみたいなのが全編にあって煮えきらないし・・・

 


あと、最もガッカリしたのが“物語”の扱い方!

僕は、“物語”ってその文字の通り物語るってことが重要だと思うんですよ、だから「物語が実体化し襲ってくる」というあらすじを見た時、「なるほど、親や友達からから聞かされ受け継がれた怪談話が怪物となり力を持ち始める話なんだな」と思い、さらに「そしてその怪物を打ち倒す活路を“受け継がれた怪談話”から見つけるという、創作物万歳ホラー万歳な熱い展開があるに違いない!」と予想したのですが・・・

まさかその“実体化し襲ってくる物語”というのが亡霊による即興だとは・・・

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不思議な力を持つ亡霊が即興で書いたストーリーが現実となり襲いかかる設定

いやこれ物語というよりデスノートじゃねえか!という感じでかなりガッカリしてしまいました、まあ怪談を基にした怪物もいるんですけど・・・その設定はあくまで味付け程度でそこまでストーリーに活かされないんすよね

前半は物語の記述と実体化する恐怖が交互に描写されてたのに、後半に行くにつれ物語の方の扱いがおざなりになるのもなーんかなー

なんというか僕はシャマランのレディーインザウォーターみたいなものを期待してしまったんですよね・・・これは変な期待をしてしまった僕が悪いのかもしれません

ただラストの「物語の力を信じる」というメッセージを感じるとある展開はかなり良かったと思います

 

 

【総評】

魅力的な造形のモンスターたちは良かったのですが「物語」というものの扱い方があまり好きになれずちょっと全体的には残念だったかなーという感じのホラーでした